2008年09月04日

罪の子供

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怯えた写真たてに飾られた一枚の絵
目を潰され耳をもがれた悲しい怪物の絵
それでも人の心には怪物として写る
よりいっそう禍禍しく
よりいっそう恐ろしく

復讐を恐れた怪物は両目を潰し
自分の姿を見えなくした
朽ちていく自分は儚くも美しい童話のように
罪と罰と一緒に置き去りにした時は
遥かかなたに・・・遠い時間を戻っていく

生きる事は拒まれた子供
全てに拒否され頑なに閉ざした貝の中でゆっくり眠る
罪に埋もれてもまだ生きている大人
全てを忘れ社会に置き去りにされる事を恐れながら
片方の目を自らの指でくりぬき
その目の裏を確かめる
残酷なほど鮮やかに美しく

覚えたての言葉だけを使う子供のように
悪意のない罪で蟻の行列をいじくるように
指を動かすだけで大量の命が動く
右から左へと

着飾った物語の最後に訪れる終幕
人間達が犯した罪への神からの罰
それでも人の心は罪を犯す
よりいっそう狡猾な
よりいっそう艶やかに

腐った地上に産み落とされた怪物は
自分の声が聞こえないように
両耳をもぎそれでもなお美しい童話の中で
罪と罰と一緒に置き去りにした時を
その手で空に・・・遠い過去を思い出していく

手のひらに刻んだ君の吐息と鼓動
流れ出てはこぼれる命
君が残していった罪を背負って
ただ罪を背負って・・・

真夜中に聞こえる吐息にも似た思い
その思いをナイフで切り取って口元へ運ぶ
その行為自体を楽しむように口元をゆがめ
口先に掲げられた思いを舐めて口の中に移す
その目は涙に溢れ 黒く 閉ざしたままで
何も聞こえない耳は自らの鼓動すらも聞こえずに

罪で着飾った子供達は
動かない時計の針を少しだけ戻し
誰にも聞こえない声で叫ぶ
穏やかな寝息
悲痛な声
自分をあざけ笑う声だけがあたりに響き渡り
止まった時計が時を砕きはじめる

罪を吐き出しながら
その罪で人を作りはじめる


posted by Θzawin at 23:27| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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