2006年08月02日

博士の愛した数式

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【本の内容 】
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

【感想】
なんとも切なくてしみじみとする話ですね。
小川洋子さんの本は初めて読みましたが、女性らしい描写の繊細さが光る作品だと思いました。
80分しか記憶が持たない博士の生活は文字通り時間に置き去りにされたようで、博士と家政婦さんとその息子との時間は世界から切り離されて完結した世界のようです。
自分も時間から切り離されたような静かなJAZZが流れる喫茶店で読んでたっぷりと雰囲気にひたっていました。
いつ悲劇的なことが起こるのかどきどきしながら読んでいましたが、そんなには大したことは起こらずにほっとしました。
しかし、毎朝起きるたびに自分の身に起きている事を新たに思い知らされる博士の悲しみというのは想像を絶しますね。
小川洋子さんの他の作品を読みたくなるとともに映画のほうも見てみたくなりました。この世界がどういった映像になっているのか非常に興味深い。
惜しむらくは解説が今一歩と言うか(失礼)文学小説の解説としてなら申し分ないのかも知れませんが、数学者としての方向で解説をして欲しかったと思いました。特にオイラーの公式に関して何故あの場面でそれが出てきたのとか。
といっても作品の中で具体的に触れてない以上それに触れるのは野暮なのかなぁとも感じます。
自分なりに人間関係を当てはめて考えてみたりもしましたが言わぬが華ってとこでしょうね。




posted by Θzawin at 17:37| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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