2005年05月18日

映画VS小説:『野獣死すべし』

『野獣死すべし』 原作:大薮春彦
  
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【内容】
戦場で死線をかいくぐってきた通信社の元カメラマン伊達邦彦。管理された現代社会で従順に生きる人々をあざ笑う彼は、緻密で冷徹な完全犯罪を計画するが...。原作は大薮春彦の同名小説で、松田優作が演じたハードボイルド映画の到達点で最高傑作。大ヒットした前作「蘇る金狼」の路線をあえて踏襲せず、それまでの松田優作像を徹底的に否定、8キロも体重を落とし、頬をこけさせるために奥歯を4本抜いたという。自分の恋人さえも表情ひとつ変えず処理する銀行強盗のシーンや、室田日出男演ずる刑事に追いつめられた列車内の場面が見所で、有名な「リップ・バン・ウィンクルの話って知ってます?」と語るその狂気の演技は今も語り草(狂ってます)共犯のチンピラ役で鹿賀丈史が好演し、主人公の恋人役で小林麻美の美しさも印象的。あまりにブッ飛んだ内容に角川春樹も激怒したと言われる問題作。
1980/村川透監督作品

【判定】:別次元の作品
この映画は何回観たか解らない。自分的には松田優作の中でのNo,1作品(ダントツ
原作のほうも伊達邦彦のシリーズものを何作か読んだが、純粋なハードボイルド物。
映画ではベトナムで精神を病んだ主人公という位置づけだが原作では確信的な悪のヒーローって感じでしょうか。この二つを比べるのはナンセンスで、全くの別物と考えた方がよさそう。
「リップ・バン・ウィンクル」のシーンも有名ですが鹿賀丈史が初めて人を殺して悩んでいるときに、「君は本当の自分に今、生まれ変わったんだ。だって今君は確実に美しいんだもの」と嘯くシーン
とか幻想的ですらあるラストシーンなど見所は多い。
『蘇る金狼』はちょっとなんだかなあという感じもするけどラストは絶品。

   yajyuu.jpg

この映画が公開された時期にベトナム戦争を風刺した映画は少なかった。
『ディアハンター』、『地獄の黙示録』などもあったが、この時点ではマイノリティ気味で評価されてなかった気がする。ゲイリー・ムーアの『アフター・ザ・ワァー』もこの時代だと思うが反社会的なノリであった。
『プラトーン』、『ランボー』が出たあたりでベトナム戦争はなんだったのかを考える風潮が出始め、いろんな作品が作られるようになったと記憶する。


posted by Θzawin at 11:34| Comment(1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も大好きです。
好きな場面は、「ラムとコアントロー、レモンジュースを少々、、、」のところですね。
観ているこっちが怖くなりました。
病んでます。やりすぎです。

ベトナム戦争物は、シンレッドラインがお気に入りです。兵士の目線で撮ったようなカメラの使い方が、敵陣に攻め込む心境を表していて良かったです。
Posted by うえむら at 2005年05月18日 23:25
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