2004年09月06日

最近読んだ本。

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パラレルワールド・ラブストーリー
講談社文庫
著者: 東野圭吾
【内容】
親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!?傑作長編ミステリー


東野圭吾の作品はいつもはずれが無い。張られた伏線に意外な結末。余韻のあるラストなどなど。
今回の話では微妙にくい違った世界が交互に展開される疑問に思った主人公は自分の記憶を探すうちに段々不安になってくる。食い違った2つの世界が示す事実とは・・・。

こういった話って自分は好きで、無条件で購入してしまう。
だが、満足いくものは意外と少なくて、読むほどに不安になっていくような感じを味わえたのは、
やはり東野圭吾の『私が昔死んだ家』
新井素子の『おしまいの日』
乃南アサの『幸福な食卓』
このあたりだろうか?

今回気になった台詞で
「嫌なこと、悲しいこと、辛いことを経験したことによる心の痛みを、すべて忘れるという方法で解決していいのだろうか。
むしろ人間はそうした心の痛みを、一生抱えて生きていくべきではないのか。」
というものがあった。
つらい記憶を忘れることが出来たらその人にとって幸せなのだろうか?
「おれは弱い人間だ。」
最後の台詞が胸に刺ささり
余韻がしばらく残る−−−

奇しくも最近読んだ『虚数霊』という話の中で似たようなやりとりがあった。
クロ(老人ケア用の熊猫型AI)がおばあさんが死んでしまったときに、自分を一緒に焼いてほしいという。
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「おばあちゃんの記憶を持ったまま、一人生きるのは悲しいよ。」
「だったらメモリをリセットすればいい」
「僕はおばちゃんの記憶を失いたくない、それに大切な友達の記憶も・・」
人間は悲しい記憶もいつかは薄らいで癒されるがAIのメモリはいつまでも褪せることなく
悲しみはいつでもリアルなままロードする。
苦しいよ――
そう語る“くうたん”(小熊型Ai)も過去のメモリを失っている。
電池切れでリセットされたことになっているが、語られていない何かがあるようだ。

自分の中の母の死に対する悲しみも
意外なほど少ないと思っていたのだが
とりあえず麻痺していただけで、
最近ふとしたきっかけでRoadされ悲しくなることがあったりする。
この間、『キリン』を読んで泣いてしまった。
モヒが帰郷するシュチュエーションの話で
夜中にこっそり帰るモヒに気づいて見送る両親のシーンにて
いつも朝の4時頃ツーリングに出かける自分を見送る母を思い出してしまった。
「見送りはいいから」
と、いつも言っていたっけ。

これを書いていてまたメソメソしている・・・

自分は弱い人間だ


posted by Θzawin at 17:09| Comment(2) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
感情は噛みしめて、
かなしみくれてくれまくって、
いつかほんとに受け止められるって、
なんかに書いてありました。

時間も助けてくれますけど。

昔うちからバイクに乗って出かけてた頃、
うちのかあちゃんもおじゃんちの母上のようでした。
見送りたくないってさ。

また今日からそんな生活がはじまります。
ごめんね、かあちゃん。

と、こんなとこでつぶやいてみる。
Posted by 385R at 2004年09月06日 20:48
ozawin様はフェデリコ フェリーニの映画「道」を観たことありますか?私はかなりブルーな時に気分転換にと観たところ、その時の気分と映画がシンクロしておもいっきり泣いてしまいました。人の弱さについて考える映画だと感じました。50年くらい前の映画でストーリーにヒネリがありませんが、自分的にはオススメの一本です。観たことがあるようでしたら感想お聞かせください。
Posted by うえむら at 2004年09月09日 00:47
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