2008年07月03日

神様のパズル



 前々から気にはなっていた本だった。ラノベ的な装丁と難しそうな内容に二の足を踏でした。
宇宙創造の謎にせまるという内容で、相対性理論や粒子力学の用語がばんばん出てくるみたいで、理解できるのかしらんという不安と、16歳の天才少女というギャップが渦巻いてくる。
しかし読んでみるとまったくの杞憂だということがわかる。
 確かに、理解不能な用語がやたらと出てくるが、語り部である主人公にも良くわかってないので、読んでる方もハテナで良いのである。この手法は筆者の上手さであり、読手も安心して読めるのである。
 「宇宙が無から始まった。」
というのが現代物理学での通説であるが、実はよく分かってない。
「宇宙が無から始まったのだとしたら、無なんてものはそこらじゅうにあるんだから宇宙がそこらじゅうで開闢してもいいのではないか?」
始まりはそんな老人の一言であった。
人生の終わりが見え始めて、自分の住んでいる宇宙がどうやって出来たのか知りたい。死んでしまう前に答えを見つけたい、と大学の講義を熱心に聴きに来る老人。
またまた、主人公が行きがかり上、田植えを手伝うことになったおばあちゃんが出てくる。彼女はただただ、先祖からの田を守り、ろくに遊ぶこともなく映画を見ず、海外旅行になんて行った事がないという。
「なんと哀れな人生だろう。」
と天才少女は言う。
その他、色々な立場の人間を絡めてストーリは漫然とすすんでいく。

 主人公の日記的に話を進んでいくので、彼はそれぞれに人間に対して深い感情はないように見える。彼はなにしろ卒業して就職する事、片思いの彼女と上手くいくこと、それらのことが精一杯である。
だが、彼はおばあちゃんの田んぼをどうしても見捨てることが出来ないし、天才だが色んな重みを背負った少女を見捨てることはしない。
 
 読んだ人がそれぞれ違った感情を持つだろうと思う。
 そして素晴らしい読後感が得られる事を約束します。


PS:近々映画が公開されるそうですが

    ・・・・・おちこぼれロッカーが天才少女の孤独を溶かす 


えっと、
多分・・・・映画と原作は別物ジャナイカナ?
posted by Θzawin at 16:55| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

弥生ついたち、はつ燕

1206749528.jpg

今年、実家に巣を作っていた燕の子供達が無事巣立っていった。

ここ数年、いつも来ていた場所に巣を作っていなかったので、
どうしたのだろうかと思っていたが、
家の裏側の雨トイの下に巣を作っていた。
いままで来ていた燕とは別の燕なのだろうか?

また来年来てくれるといいなあ。




  弥生ついたち、はつ燕、
  海のあなたの静けき国の
  便もてきぬ、うれしき文を。
  春のはつ花、にほひを尋むる、
  あゝ、よろこびのつばくらめ。
  黒と白との染分縞は、
  春の心に舞姿。
  ……
  あゝ、よろこびの美鳥よ、
  黒と白との水干に、
  舞の足どり教へよと、
  しばし招がむ、つばくらめ。

--ガブリエレ・ダンヌンチオ「燕の歌」
(訳は上田敏『海潮音』による)


posted by Θzawin at 17:32| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月14日

アナーキスト人類学のための断章

@P5310182.jpg

  皇祖神(すめろぎ)の  

     遠御代(とおみよ)御代(みよ)は   い敷き折り

        酒(き)飲むといふそ   このほほ柏

          〜 万葉集 大伴家持 の歌 〜


.
posted by Θzawin at 09:02| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月29日

さよならの代わりに/貫井徳郎



以前に読んだ『慟哭』にがものすごく面白かったので期待しながら読みました。
内容は、未来から来たと言う少女が出てきて、殺人事件にからんでいくというもの。結構ありがちな感じ?
けれど、書き方が上手いのかぐいぐいと話に引き込まれ、つづきが気になって一気に読んでしまった。
さすがに『慟哭』をしのぐ程の驚きは無かったけれどもまあまあの作品かな。終盤で失速したかの感はいなめないかもしれない。
この作品の肝は“自称未来から来た”少女が言っていることが本当なのかどうかといったところではないでしょうか。
未来から来たと言うのがウソだとしたら正体は誰でなんの為にウソを言っているのか?もし、本当に未来から来たとしたら・・・とかあれこれ考えながら読むのが楽しいのかもしれませんね。
結末はオマケみたいなものかな?(^−^;
過去にタイムパラドックス物を読んだことがあれば一層楽しめるでしょう。


posted by Θzawin at 12:02| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月13日

アルキメデスは手をよごさない




昭和48年に発刊され、最近復刊されたらしい当書を書店で見かけ、このタイトルが何故か非常に気にかかった。
昔何かで読んだことがあるのではないか?
ある程度読み進んでみてもさっぱり記憶に無かった。
漫画になっていたような気もするし(おそらくは少女マンガ)多分姉貴の蔵書の中にあったのかもしれない。
結局最後まで読んでもはっきりしなかった。
話の中のオヤジ世代と何を考えているのかわからない若者との対立的なものもいまいちピンと来なかった。どちらも感情移入しにくかったのだ。
自分の世代はちょうどどちらにも属することがない新しい世代だと思う。
かといって面白くなかったわけではなく、小説自体としてはかなり楽しめた。
まるで『虚無への供物』を読んだあとのような、なんとも言えない読後感が残った。

「アルキメデスは手を汚さない」とい非常に意味深な題名も読み進めるうちに何を意味するのか解るのだが、
その意味が解けるときに理解不能だった若者(私にして見れば先輩達なのだが)の考えがちょっと解るような気がする。



 ↓これも一緒に読むと吉

posted by Θzawin at 17:33| Comment(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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